スウェットのディテール
・リバースウィーブ
チャンピオンの名品、リバースウィーブが誕生したのは1934年。
この不朽の名品を、世に送り出したのは、創業当時からのメンバー、
サム・フリーランドでした。
チャンピオンに入社する前は、高級紳士服メーカーで裁断を担当しており、
その経験とノウハウが、リバースウィーブを生み出したと言えます。
1920年代、ウールの訓練用ウエアを得意としていたチャンピオンは、
ウールよりも洗濯しやすく安く売れる素材を考えていました。
そこで選んだのが、安価でタフなコットン素材。
そうして作られたスウェットシャツは、
大学やミリタリーアカデミーでまたたく間に浸透していきます。
しかしその一方で、洗濯すると縮んでボディフィットが悪いとクレームを受けていました。
そんな中、サム・フリーランドは出張先の顧客から、
「生地の縦と横を逆にしたらどうなんだ。そうすれば裾は縮まないじゃないか」
と言われたことをヒントにひらめきます。
洋服作りの経験があったので、早速自分のスウェットを裁断し、
生地の縦と横を逆にしたところ、縮みが最小限度に抑えられることが分かりました。
これがリバースウィーブの原型が誕生した瞬間です。
縦を横にするという単純な行為が、その当時にしてみれば画期的なアイデアであり、
1938年にチャンピオンは製法特許を取得し、競合他社に差をつけました。
製法特許を取得したあとも、チャンピオンは製品改良に勤め、
1枚布としてのボディー設計や、アームホールの太さなど、
フットボール用として耐久性や機能性を高める工夫が施されました。
そして2度目の特許を取得したのは1952年。
この年、同社が発行するカタログに初めて掲載され、
これはコピー製品が出てくるのを防ぐため遅らせていたと言われています。
その後チャンピオン社にとって不変の定番として特別な存在として扱われ、
スタッフの間では「ファミリー・ジュエリー」と呼ばれています。
またリバースウィーブは、タグやステッチ、プリントなどによって年代が識別でき、
それらのディテールが稀少価値を持ち、ヴィンテージファンを喜ばせています。
・セットインスリーブ
ボディーに対して垂直に袖を縫いつけた袖型。
ウールセーターの時代から継承される代表的なショルダーデザイン。
リバースウィーブの場合は1940年代にこのデザインを採用して以来、
一貫して変わっていません。
・フリーダムスリーブ
肩から袖にかけてカーブを描くS字ラインが特徴で、
腕の動きがより自由になるように工夫されたことから命名されたショルダーデザイン。
1940から1950年代にかけて流行したが、生産効率の悪さにより、
ほとんど姿を消してしまった希少価値の高い袖型。
・リブ
冷たい風が入るのを防ぎ、温かさを逃がさないために、
主に袖口と裾の部分に使用されているゴム編み状の部分。
一般的にリブの長さが長いほど年代的に古いとされています。
また、リバースウィーブには両脇にリブが施されている(サイドアクションパネルと呼ばれる)が、
これは激しい動きにも対応するためのもの。
・ガゼット
襟ぐりにある三角形のパーツで、それがV字に見えることから、
前部にのみつけられたものを前V、前後両方につけられたものを両Vと言います。
汗止めともいわれるが、実は着脱時の伸縮を補強するための「はめこみ式」、
汗止めとして生まれた「はりつけ式」と、時代によって形も機能も違います。
・霜降りグレー
霜が降ったように、所々が白っぽくなっているのが特徴。
糸自体を染色した色とりどりのスウェットが誕生したのが1950年代。
大学のアスリートたちが他の大学の選手と色でも差別化できるよう、
チャンピオンが開発したのが最初。
それまでカラーといえばこの霜降りグレーしかありませんでした。
・2本針ステッチ
2本針による強度のある縫製で、現在では定番のディテール。
1940年代以前のスウェットシャツの主流で、
リバースウィーブもこのステッチを採用しています。
・4本針ステッチ
1950から1960年代のカレッジ・スウェットシャツに多く見られるステッチ。
手間はかかるが、頑丈さは言うことなし。
・ランナーズタグ
チャンピオンのタグのデザイン。
ランナーがゴールインしているところのデザインを採り入れた物。
1950年代以前の代表的なパーツ。
このタグがつくスウェットシャツは貴重とされています。
・タタキタグ
チャンピオンのリバースウィーブで、60年代前半のタグを指します。
古着業界独特の呼び名。
タグの四方を全て縫い込んだ姿が、叩き打ち込んだようにみえるため、
この様な名称が付いたと考えられています。