ヘヤー
羊の毛を「ウール」といいますが、
羊以外の動物の毛のことを「ヘヤー」といいます。
ただ、カシミヤウール、アルパカウールなどと使われることもあり、
厳密にいえば違うのですが、世間一般では広く浸透しており、
特に問題とはされていません。
カシミヤ、モヘヤ、アルパカ、アンゴラなどを高級獣毛と呼び、
主として動物の産毛(うぶげ)を使うことで、
柔らかく、ぬめり感のあるものが多く、魅力的です。
そんなヘアーの代表的なものをあげてみます。
・Mohair(モヘア)
アンゴラ山羊(Angora Goat)の毛。
モヘアのセーターに代表されるように、
ふわふわとした表面に見え隠れする静かな光沢が魅力的です。
毛足が長いため非常に豊かな光沢とハリコシは、
特に欧州で、伝統的にニットや織物に人気のあるアパレル素材として用いられています。
主な原産国は、南アフリカ、トルコ、アメリカ。
・Cashmere(カシミヤ)
カシミヤ山羊(Cashmere Goat)の毛。
カシミヤは、天然繊維の中でも最も高級な素材と言われ、
とても軽いですが、保温性が高く、肌ざわり・ぬめり感もよく、
独特の深みのある色彩や光沢を持っています。
カシミヤ山羊はモンゴルやヒマラヤ山脈などの、
乾燥して非常に過酷な環境下に生育しているため、
急激な気候変化に対応できるとても細くて柔らかい繊維で身を守っています。
毎年、晩春(春の終わり)に脱毛するので、
脱毛する前に大きなくしでできるだけ刺し毛を抜かないようにすき取るのが
最上の採毛方法といわれています。
中国、中央アジア、イラン、イラク、トルコ、チベットなどに広く生息していますが、
中国北西部で最も多量に産出されています。
・Alpaca(アルパカ)
ラクダ類のラマ属に属する動物の毛。
南米ペルーの中部から南部、およびボリビアなどに分布し、
海抜3650メートル以上の高地にしか生息していません。
シルキーな光沢、独特のヌメリ感や風合い、軽くて保温性にも優れた魅力的な繊維で、
ペルーではインカ以前から優れた織物文化が発達し、
その色・柄・織技術は世界的に有名です。
今日ではペルーは世界最高品質のアルパカの産地として世界的に知られるだけでなく、
さらに高度な繊維加工技術によって、
アルパカはファッション性の高い高級素材となっています。
毛の色は、こげ茶、灰色、淡茶、白、黒、混色などいろいろあり、
中でも褐色のものが、よく高級品として使われています。
・Angora(アンゴラ)
モヘア(アンゴラ山羊)のように長く白い毛が育つことから
「アンゴラ・ラビット」と名づけられた兎。
フランスを中心にチェコ、ドイツ、中国、日本でも飼育されています。
その毛は真っ白な毛足が長く、手触りがやわらかでしなやかで、
パステルカラーの発色が良いのでニットに向いています。
ただし、強度が弱く、毛が抜けやすいのが欠点です。
・Vicuna(ビキューナ)
ビキューニャ・リクーニャともいい、
南アメリカのペルー、チリ、アルゼンチン、ボリビアにまたがる、
アンデス山脈の標高4000メートル以上の高地だけに生息しています。
かつて200万頭が生息していたと推定されていますが、
非常に臆病な動物であるため家畜化ができず、肉と良質な体毛を得るために乱獲され、
20世紀後半までにその生息数を1万頭にまでに減らしていました。
現在、ペルーを中心とした周辺諸国の、ワシントン条約を後ろ盾とした保護政策が取られており、
狩猟および取引が禁止されています。
2年に一度しか毛の刈り込みが許可されていないうえ、
1回の刈り込みで成獣1頭につき250から300グラムの体毛しか取れません。
そのため、非常に希少価値が高く、ビキューナ100%で、
しかるべき技でつくられたコートは、数百万円という値がつきます。
毛の太さは12から13ミクロンと天然繊維の中では一番細く、糸に紡いで利用。
極めてきめ細やかなこの糸は、赤ちゃんの産毛にふれているような手触りと、
優れた保温性を持っており、「繊維の宝石」、「神の繊維」などと呼ばれています。
以上順不同であげましたが、上の4つはよく目にしますが、
ショールでも50万円はするというビキューナ。
なかなかお目にかかれるものじゃなさそうですが、
1度ぐらいそのコートに腕を通してみたいもんです。